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これは論文の書き方の掟

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論文の書き方の掟 2022 年1 月13 日版 西井淳 目次 1 論文構成の掟2 1.1 全体の構成… … … … … … … … … … … . 2 1.2 「概要(Abstract)」… … … … … … … … … . . 2 1.3 「はじめに(Introduction)」… … … … … … … … . 2 1.3.1 「はじめに」の構成例… … … … … … … … . . 3 1.4 「研究方法(Materials and Methods)」… … … … … … 4 1.5 「結果および考察(Results and Discussion)」… … … … … 4 1.5.1 「結果」… … … … … … … … … … … 5 1.5.2 「考察」… … … … … … … … … … … 5 1.6 「まとめ(Conclusion)」… … … … … … … … … 6 1.7 「謝辞(“Acknowledgement”, 章/節番号無し)」… … … … . . 6 1.8 「参考文献(“Bibliography”, 章/節番号無し)」… … … … . . 6 1.9 「付録」(“Appendix”, 必要に応じて) … … … … … … . 8 2 文章の書き方のお作法8 2.1 論文の掟… … … … … … … … … … … . . 8 2.2 文章の書き方の掟… … … … … … … … … … . 8 2.3 文の書き方の掟… … … … … … … … … … . . 9 2.4 図表の説明の掟… … … … … … … … … … . . 10 2.5 グラフ作成の掟… … … … … … … … … … . . 11 2.6 数式の書き方の掟… … … … … … … … … … . 11 2.7 空白(スペース) の掟… … … … … … … … … . . 12 2.8 その他… … … … … … … … … … … … 12 2.9 文章書き最大の掟… … … … … … … … … … . 12 3 練習13 参考資料13 このドキュメントの著作権について13 1 1 論文構成の掟 1.1 全体の構成 以下が論文の構成例。 1) 目次 2) 概要(“Abstract”,必要に応じて) 3) はじめに(「序論」, “Introduction”) 4) 研究方法(“Methods and Materials”) 5) 結果および考察(“Results and Discussion”) 6) まとめ(「結論」,“Conclusion”) 7) 謝辞(“Acknowledgement”, 必要に応じて) 8) 付録(“Appendix”, 必要に応じて) 1.2 「概要(Abstract)」 論文提出の際には概要の提出も要求されることが多い。 • 概要は全体の要約なので, (1) 何を目的として, (2) 何を行い, (3) どういう結果を得 たかを簡潔に述べる。 • 分量は(1)(2)(3)=3:3:4 程度を目安に。(1) が半分以上占めると,内容がうすく感 じられて良くない。 • 先行研究にふれることは少ない。 1.3 「はじめに(Introduction)」 「はじめに」では,研究の背景(本研究の動機・必要性,世の中でされてる関連研究等), 問題提起, 研究の目的について書く。論文の存在意義が問われる部分である。読者に興味 をもってもらえるようしっかり書くこと。 なお,「はじめに」は「まえがき」とは違う。「まえがき」は, 本のはじめに執筆のきっ かけになったよもやま話等を書く部分で,論文では「まえがき」は書かない。 2 1.3.1 「はじめに」の構成例 1) 大きな目的 • 自分の研究が何を実現したり解明したりすることを目指すものか,すなわち研 究の大きな目的を,できるだけ始めの方に書く.いつまでも論文の目的がわか らない書き方はダメ。 2) 必要性 • 大目的を実現する必要性を述べる。 3) 問題提起: • 大目的を達成するために何をする必要があるのか,そのためにどのような問題 があるかのを述べる。この問題提起によって,読者の関心を自分の研究トピッ クに誘導する。 • ここまではなるべく簡潔に! 4) 事例紹介 • 提起した問題を解決するための従来研究を紹介しながら列挙する。自分と同じ (もしくは似た) 目的のものを詳しく列挙する事で,研究の位置づけを明確に する。 5) 小目的 • 研究で取り組んだ具体的な目的を明記する。検証する仮説や,達成すべき目 標を説明することになる。 • 具体例 a) 大目的: 火星ロケットを作る! b) 必要性: 地球にはもう資源が乏しいが,火星にはたくさんの資源がある! c) 問題提起: 火星ロケットを作るには,より軽量で丈夫な金属である。 d) 事例紹介: ○○らは△△合金の開発を行ったがこれはやや熱に弱いという 欠点がある。一方で,□□らは##合金を… . が,これは熱に強い一方で 固さが不十分であった。しかし,この両者の長所をあわせもつ合金を開発 できれば… 。 e) 小目的: 本研究の目的は,○○に着目する事で,軽量かつ丈夫で熱にも強 い金属を開発することである。 • 悪い目的の例: 「本研究の目的は,日照量と収穫量の関係を調べることである」 – この文では手法しか述べておらず,肝心の目的(ゴール設定) が書かれて いない(両者の関係を調べることで,何を明らかにしたいのか書かれてい 3 ない)。 6) 構成 • 最後に論文の構成を簡単に紹介することもある。 • 例「本論文の構成は以下の通りである。第2 章では… について述べ, 第3 章 でその結果の考察を行う。第4 章では… 」 1.4 「研究方法(Materials and Methods)」 •「実験方法」や「解析方法」を具体的に述べる。それぞれを別section にすることも 多い。 • 章(節) 名には「◯◯の解析方法」等,もっと具体的なタイトルをつけることもある。 • 第3 者がこれを読んで同じ実験や解析を再現できる情報を書くこと。ただし,一般 的な解析方法や計測方法については,その名称を書けばよい。マニュアルレベルの 一般的な手順は省き,説明がないとわからない実験者固有の設定等の情報を書く。 • 方法について,何をどのような順番で説明するかは分野ごとにお流儀がある。例え ば,心理物理実験の場合は以下のような構成のことが多い。 1) 実験の概要(Overview) 2) 被験者について(Participants) 3) 計測装置とタスク(Apparatus and Task) a) 何を計測するために何を使ったか(特殊機器の場合はメーカ名と製品名も 書く) b) どんなタスクを用意したか 4) 実験手順(Procedure) – 被験者にはどのような指示をして,各タスクをどのような順番で行っても らったか 5) 解析手法(Data Analysis) 1.5 「結果および考察(Results and Discussion)」 •「結果」と「考察」のそれぞれを独立の章や節にする場合もある。 • 複数の実験等を行ったときには,「研究方法」と「結果と考察」を実験毎に一つの 章にまとめることもある。 4 1.5.1 「結果」 • 実験の結果,データから読み取れる客観的事実を説明する。 • ただし,データやグラフを並べて,その説明をすれば良いというものではない。こ の論文の目的を達成するために,どのような図表を用意して,何に着目して説明を するのが良いかについて,よく計画を練ってから書く。言い換えると,読者が結果 の説明を読み進めるうちに,論文の目的に対する答えを自然と把握できるような書 き方が良い。 1.5.2 「考察」 考察の目的には以下の2 点がある。 1) 本論文における目的に即した結論を導く。 • 本実験結果と他の研究(文献) との関連を説明する。つまり,本実験結果が関 連する他の知見と合致するのか,それとも矛盾するのかを議論する。これによ り,本結果を一般化したどのような結論を導き出せるかを,論文の目的に即し て説明する。 • 実験結果の妥当性を説明する。もし,実験手法になんらかの問題があると考え る場合には,その問題点が結果にいかに影響した可能性があるかを説明した上 で,結果の妥当性を議論する。また,妥当性の議論においても,他の研究との 関連による説明は重要。 2) 本研究の重要性を説明する。言い換えると,本研究結果から導かれる重要な問題を 提起する。 • 本実験結果がなぜ生じたか,その理由を考察する(理由に関する仮説形成)。 • 本実験結果を認めると,さらにどのような現象の予測や応用可能性があるかを 考察する(今後の課題に関連する仮説形成)。 なお,「考察」を独立な章にまとめた時には,結果についての簡単なまとめの段落をは じめに設けること。 5 1.6 「まとめ(Conclusion)」 「まとめ」に何を書くかは,論文誌の種類によって異なる。短い報告では「まとめ」を書 かない場合もあるが,長い報告では研究の重要性を強調するために「まとめ」を設ける。 • 何を行い,その結果,研究目的に対してどのような結果が得られたかを具体的に 書く。 • 結果に関する面白い点を具体的に列挙する。 • 今後の課題(将来の展望) を述べる。ただし,「考察」で十分議論をしているときに は重複しないようにする。具体的には以下の議論がありえる。 1) 考察で得られた新仮説の証明方法に関する補足をする。 2) 得られた結果を認めた場合に,さらに発展的に考えられる課題を提案する。 3) ありきたりなこと(サンプル数を増やしたい等) は,書き手にとっても読者に とっても面白くない(重要な情報にならない) ので,あまりスペースを割かな いこと。 1.7 「謝辞(“Acknowledgement”, 章/節番号無し)」 • 研究の推進のために助成を受けた予算や,有用なアドバイスをいただいた人に対す る謝辞を記載する。 • 人名は必ずフルネームで書く。 1.8 「参考文献(“Bibliography”, 章/節番号無し)」 1) 既にわかっている事実を述べようとするときには, その事実が明記されている参考 文献を必ず引用する。自分の意見か他の人の意見かわからない書き方はしてはいけ ない。 2) 引用した文献のリストを論文の最後につくる。 3) 文献リストには以下の情報が必要。 a) 論文の場合 著者, 論文名, 雑誌, 巻, ページ, 発行年 例) D. F. Hoyt, C. R. Taylor, “Gait and the energetics of locomotion in 6 horses,” Nature, 292(16), 238-240, 1981 b) 本の一部の場合 著者, 章名, In: 編集者名(ed) 本の名前, 出版社名, ページ, 発行年 例) Cohen AH, “Evolution of the vertebrate central pattern generator for locomotion”, In: Cohen AH, Rossignol S, Grillner S (eds) Neural control of rhythmic movements in vertebrates, John Wiley and Sons, pp. 129-166, 1988 c) 著者が3 人以上の場合には,C. R. Taylor et al. といった具合に最初の著者の みを代表にして書くことが多い。 各項目の間は原則として”,” で区切る。 4) 文献リストのフォーマット(上記情報の掲載順) のお流儀はいろいろあるが,どれ かで統一する。 5) 参考文献には参照番号をつけて, それにより本文中で引用する。LaTeX などでは文 献をデータベース化しておけば, 本文中での引用に応じて, 適当なフォーマットに 直した文献リストを作成してくれ,参照番号も自動でつけてくれる。参照番号をつ けずに、文章中では著者名(年) で参照する方法もある。 a) 文献リストに参照番号をつけている場合の引用例 i. 例 ○○は××であることが実験により確認され[1], その理論的証明は△ △らによってなされた[2,3]。また,☆☆らは□□を報告している[4]. ii. 複数の文献を引用する場合(LaTeX の場合はcites スタイルファイルを使 うと便利) ×: △△は□□であることが報告されている[1],[2] ○: △△は□□であることが報告されている[1][2] ○: △△は□□であることが報告されている[1,2] iii. 句読点との順番を逆にしてはいけない。 間違った例) ○○は××であることが実験により確認され,[1] その理 論的証明は△△らによってなされた。[2,3] b) 文献リストに参照番号をつけない場合の引用例 例) ○○ら(1997) に××であることが報告され, その理論的証明は△△ら (2003) によってなされた。さらに◎◎についても多くの報告がある(□□ 1993, ▽▽ 1995, ☆☆ら2002) 7 1.9 「付録」(“Appendix”, 必要に応じて) • 本文中での,本筋を明確にするために,細かくかつ紙面をとるような内容は付録に することが多い。例えば,本文中の数式の証明等の細かい計算過程,本文で特に述 べる必要の無いコメント的なことや技術的なことをここに書く。- 短い注釈等は ここに入れずに, 脚注にすべき。 • 付録をつくるときには, 必ず本文中の関連場所で引用すること。(「詳しくは付録A 参照のこと」等。) – 注)付録の位置は、謝辞の前に置く場合、謝辞の後ろに置く場合,参考文献の 後におくといろいろなお流儀がある。 2 文章の書き方のお作法 2.1 論文の掟 1)「はじめに」に述べる目的に対応した結果をきちんと述べること。 2) 目的は少なくとも3 回登場する。 a)「はじめに」に書く。 b) 結果を示すとき, それが目的に対応した結果であることをきちんとわかるよう に書く。 c) 最後のまとめで, 目的が達成されたかどうかがはっきりわかるように書く。 3) 書いてる内容が, 自分の意見か誰かの意見によるものかを明らかにする。誰かの データや結果等を引用するときには必ず引用元になる参考文献を明記する。 2.2 文章の書き方の掟 1) 何の話をしているか常に明確になるようにする。 2) 大きな話(目的や結論) から書き, 徐々に小さい話(詳細な説明) にうつるのが原則。 3)「事実」を書き, 次に「考察」を書くのを繰り返すのが基本。 a) 事実だか考察だかわからないような書き方はダメ。 b) 複数の事実を並べてから, それぞれの考察に入る場合には, 各事実項目に番号 をふって, それを引用しながら考察をすると分かりやすくなることが多い。 8 4) 行間を読ませるような書き方はダメ。読者は何も考えなくても読むだけでわかるよ うに書く。 5) 一段落に一話題。 a) 5,6 行~10 行程度を分割の目安に。 b) 1 文で1 段落は不可 6)「それ」などの指示代名詞は、原則として前文までに指すものが明確にないとダメ。 7) 箇条書きについて a) 短い文を列挙したい時に使う。長い文の列挙のときには,段落分けやセクショ ン分けを上手に使う。 b) 箇条書は文章中で少し情報をまとめるためのものであり,あるセクションが箇 条書のみということは, 論文ではあり得ない。箇条書を使うときには, それが 何についての説明かをまず書く。 2.3 文の書き方の掟 わかりやすく誤解の無い日本語を書くことに尽きる。 1) 文体は「だ、である」調を使う。 2) 一つの文では一つの事柄のみにふれる(一文一義)。 3) 主語述語を明確に。主語と述語が適切に対応していることをよく確認すること。 4) 受動態はあまり使わないこと。使う場合でも、一つの文中で能動態と受動態を混ぜ て使ってはいけない。 × 脊椎動物は哺乳類を含み、ヒトは哺乳類に含まれる。◯ 脊椎動物は哺乳 類を含み、哺乳類はヒトを含む。 5) 修飾する語は, 修飾される語のできるだけ近くにおく。 × 「大きな論文の流れは以下の通り。」… 「大きな論文」ってなに? ○ 「論文の大きな流れは以下の通り。」 6) 一つの言葉に2 つ修飾語が付くときには, 短いほうを修飾される語に近付ける。 × 黒いお腹をすかした猫○ お腹をすかした黒い猫 7) 句読点を適切に。言葉の修飾関係が明確にするように使う。 8) 接続語, 指示語は乱用しない。必要最小限にとどめる。(そして,そこで, しかし, これを, それは,… ) 9) あいまいな表現が無いか十分気を付ける。 9 • ×「速度が速くなることがわかる。」… 因果関係が不明、何の速度かも不明 ○「△△が大きくなるにつれて, ○○の速度が大きくなることがわかる。」 • ×「馬は最適な歩行パターンを選んでいることがわかる。」… どういう意味 で最適か不明 ○「馬はエネルギー効率に関して最適な歩行パターンを選んでいることがわ かる。」 10) 理系の学術的な文章での句読点は”、。” ではなく”, 。” や”, .” を使うことが多 い。いずれかの形式で統一する事。 2.4 図表の説明の掟 1) 説明にはできるだけ図表を利用する。イラスト等もたくさん使って良い。 2) 図表は無駄には多くしないこと。特に実験結果等で似たグラフが多く得られたよう な場合は, 1 つのグラフにまとめたり,平均値をグラフにしたり等の工夫をする。 3) 図表はページの上か下におき,文章中には挿入しないこと。LaTeX の位置指定な ら[tbp]となる。図表は文の一部ではなく, 説明のための補助であることに注意。 4) キャプション a) 図表にはcaption(タイトルと短い説明) をつける。 i. 図の説明(caption) は図の下に。 ii. 表の説明(caption) は表の上に。 b) タイトルは,図表が何を示すものかを簡潔に体言止めで書く。 c) 細かい説明はタイトルの後に書く。文を読まずに図表とそのキャプションのみ を見て, 粗筋がだいたい分かるように図表と説明があることが望ましい。キャ プションに書く説明は,本文と多少重複してもかまわないが,そのときは簡潔 に要約する。 5) 他の文献から引用した図表は, 必ず脚注に文献を引用する 例1:” ○○○○ (1998) より” 例2:” ○○○○より[3]” 6) 図表は必ず本文中で登場順に引用して説明する 7) 本文中での各図表の説明は, 以下の順が原則 a) 図表が何を表すものか b) 図表を見てわかること 10 c) 結果の考察(結果が生じた原因の推定) 例)図3 に2 月1 日の気温の時間変化の様子を示す。早朝には氷点下にまで 気温が下がっているが日中の最高気温は3 月並にまで上昇したことがわかる。 この日は高気圧に覆われたため, 朝は放射冷却によって冷え込んだが, 晴天に より日中の気温が上昇したことが原因と考えられる。 2.5 グラフ作成の掟 1) 各軸のタイトルと単位を忘れずに。 2) グラフの縦軸と横軸は, グラフの特徴を有効に示せる範囲を選ぶこと。 3) 複数のグラフを比較して見るような場合には, それぞれの縦軸と横軸の範囲をそろ えるほうが(多くの場合)良い。 2.6 数式の書き方の掟 1) 数式は文章の一部である。よって数式のあとには必要に応じて句読点を書く。 2) 変数を表す記号はイタリック体にする。(TeX なら$で囲む) 3) 数式で用いる記号は, その数式の前か直後に必ず説明をする。 例) ニュートンの運動方程式は次式で与えられる。 ma = F. ここで, m は質点の質量, a は質点の加速度ベクトル, F は質点に加えられた 力ベクトルである。 4) sin, cos, exp 等の特殊関数はローマン体にする。 × sinx: これでは,どこまでが変数かわからなくなる。 ○ sin x: TeX の数式モードではsinと書く。 5) 物理量をあらわす数値には必ず単位をつける。単位はローマン体にする。 例) ロボットの胴体の質量M を10 kg, 足の長さl を0.5 m として計算を行 なった。 ここで, 数値と単位の間にスペースが入ってるのに注意。変数記号に単位をつける 時には,変数と単位の区別がつきやすいように[] や() で囲む。 例) m [kg], t [s] 11 6) 数式を変形する時には、どのように変形したか、そのプロセスが明確にわかるよう に書く。 2.7 空白(スペース) の掟 以下の場合,空白(スペース) が必要 • 句読点(“,”, “.”, “;”, “:”) の直後 • 省略記号”.” の直後 例) J. S. Bach (Johann Sebastian Bach のイニシャル) • 数値と単位の間 • 数学記号と単位の間 ただし,以下の場合は空白不要 • ラテン語の略語> 例) e.g., i.e. • 比率を表す”:” > 例) 塩の質量: 水の質量=1:10 2.8 その他 • 章毎には改ページを行うが、節単位では改頁しない。(LaTeX は自動で改ページ等 を行ってくれる) • 被験者のデータを示すときには,被験者A,B,… 等と書く。 • LaTeX の改行コマンド(\) は原則として利用禁止 • 半角”.”, “,” の直後には半角スペースを入れる 2.9 文章書き最大の掟 まずは,最善を尽くした初校をつくる。その後,書いた文章は適当な時間をおいて何度 も読み直して直す。完成と思った後に卒論程度の文章量なら100 回程度は読み直す。校 正は確率的にしかできない。間違い検出の精度をあげるためには校正を何度も繰り返すし かない。 12 3 練習 以下の文は, どういう点で悪いか? また, どのように改善したらよいか考えなさい。 1)「図2 は, 3 月1 日の気温の時間変化を示したグラフである。これより, 気温は上昇 することがわかる」 2)「移動速度が速くなると足を動かす周波数は高くなる。移動速度が遅くなっても足 の振り幅はあまりかわらない。移動速度が速くなっても足が地面からはなれてる時 間はあまりかわらない。」 参考資料 •「APA 論文作成マニュアル(第二版)」,アメリカ心理学会(APA) 著,前田,江藤, 田中(訳),医学書店,2011 •「理科系の作文技術」,木下是雄著,中公新書,1981 •「例題で学ぶ原稿の書き方ーわかりやすい文章のために」,八木和久著,米田出版, 2001 •「大学生の論文執筆法」,石原千秋著,筑摩新書,2006 このドキュメントの著作権について 1) 本稿の著作権は西井淳nishii@sci.yamaguchi-u.ac.jp が有します。 2) 非商用目的での複製は許可しますが、修正を加えた場合は必ず修正点および加筆者 の氏名・連絡先、修正した日付を明記してください。また本著作権表示の削除は 行ってはいけません。 3) 本稿に含まれている間違い等によりなんらかの被害を被ったとしても著者は一切責 任を負いません。 間違い等の連絡や加筆修正要望等の連絡は大歓迎です。 13

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